『四月になれば彼女は。』
四月になれば彼女は
Twitterで読書芸人のメイプル超合金のカズレーザーさんが川村元気さん著
『四月になれば彼女は』
という本が紹介されているのを目にしました。
個人的に恋愛小説を読んだ経験が少なかったのですが不思議なタイトルだなと思い読んでみました。
読み進めると、タイトルはSimon & Garfunkel という60年代に活躍したアーティストの楽曲の『April come she will』(邦題:四月になれば彼女は)
から来たものだと分かりました。
この曲の内容は1年の間で移り変わる自分と恋人との関係を歌ったものです。
作品も主人公を取り巻く環境、心情の移り変わり12ヶ月に渡り、描いています。
各章が一月ごとに区切られています。
そのことを踏まえて読むと更に味わい深いものになると感じたので、近いうちに再読する所存です。
かつて付き合っていた恋人から届いた手紙の文面から物語はスタートします。
その時点で主人公は今の恋人と結婚を決めている。自分は彼女を、彼女も自分を愛しているのかわからないまま。
このまま結婚式を迎え契りを結ぶんだろうとも思っている。
そんな最中、元カノから届いた手紙をきっかけに12ヶ月が動き出します。
ゆっくりと。
なぜ手紙を書いたのか分からぬまま。
過去と現在の描写を織り交ぜてストーリーは進みます。
ここからは私のような見知らぬ者のブログでネタバレされるのも不愉快でしょうし、あくまで感想を記させていただきます。
読んで頭に広がるシーンや景色のほとんどが静かなというか、いい意味で鮮やかさがないというか、セピア色というか。
主人公自身が自分を一歩引いた所から見てるような。自分の抱える寂しさや虚しさが写し出す表現なのかもしれません。
また自分を一歩引いた所から見ているが故に起こる事柄もあって。
そして終盤に、かつての恋人が何故自分に手紙を書いたのか、何故別れてしまったのか。
その罪のない想いが切なくて。
本の帯に書かれていた星野源さんの言葉を借りると本当にイノセント、なんです。
愛って、好きになるってなんだろう
考えたこともなかったけれど、それを考えさせられる作品だったかなと。
川村元気さんも、それを定義するのではなく、彼の考える愛だとか好きという感情の輪郭を表そうとしたものだったのかな、とも思います。
それを考えようとすること自体も大切なことじゃないかなとか。
定義づける必要なんてなくて、月並みな表現ですがそれぞれの形があるし。
それぞれの形があるなか、どこか共通というか似たような一本芯があるかもしれません。
とも思います。
と徒然なるままに思ったことを書き連ねてみました。
もし『四月になれば彼女は』をこれから読む方がいましたら曲の方も聴いてみるのもオススメします。
最後に
なるほど。
と読後感が違ってくるのではと。
えーと、以上になります。
はい。
今後もこんな感じで書いていきます。
乱暴な終わり方となりますが、この辺で!!